ハヤシライス

ハヤシライスは、薄切り牛肉とタマネギをドミグラスソースやトマトソースなどで煮たものを米飯の上にかけた料理。海外の料理をもとに日本で変化した洋食に分類される。近畿地方ではハイシライスとも呼ばれる。

地域によっては牛肉を豚肉で代用したり、マッシュルームやその他の具材を加えることもある。カレーライス等と同様に、即席の固形ルーや温めて米飯に掛けるだけで食べることのできるソースが市販されている。

「ハヤシ」の語源

ハッシュドビーフ・ウィズ・ライスやハッシュド・アンド・ライス(Hashed and rice)[4]などといった名前が、「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それが訛って「ハヤシライス」となったと言われている。言語学者の楳垣実は1944年の自著『日本外来語の研究』の中で、明治時代によく使われていた古語(および古語の影響の残る方言)で「こまかく切る」という意味を持つ「はやす」という動詞[注 2]を取り上げ、英語のハッシュド (Hashed) がハッシ・ハイシなどと訛った上で、「はやす」との意味の類推から「はやし肉」などといった語が生まれたことによって、ハヤシライスになったのであろう、と述べている[5]。この傍証として、1908年発行の『海軍割烹術参考書』にドライハヤシとしてハッシュドポテトの調理法が書かれており、当時Hashedをハヤシと表記した例が認められる。

なお、英語で「ハッシュ(Hash)」と言った場合、ハッシュドポテト系の料理を指す場合と、肉汁のスープ(デミグラスソース)で煮込む料理を指す場合とがある(#発祥も参照)。ルポライターの澁川祐子は、この2つが明治年間に混同され、最終的に米飯に合う煮込み料理としてのハッシュだけがハヤシと呼ばれ普及していったのではないかと述べている。

その後、大正年間から昭和年間にかけての料理書では『ハヤシライス』の名称が頻出するようになり、『ハッシュドビーフ』の名称は使用されなくなっていったが、1989年にハウス食品が『ハッシュドビーフ』と名付けたルーを販売し、他社もこれに追随したことから、あたかも別の料理であるかのような混乱が新たに生じるようになった。

その他の説

早矢仕有的説

丸善創業者の早矢仕有的(はやし ゆうてき)が作った牛肉と野菜のごった煮に由来するとする説。『丸善百年史』に掲載されている説である。#発祥も参照。

林某説(1)

上野精養軒のコックをしていた「林」が、従業員の賄い飯として作ったところ好評であったことから、これをメニューにしたとする説。しかしながら、林という人物が実在していたか定かではなく、信憑性は薄い。

林某説(2)

明治初年に横浜に在住していた「林」という男が由来であるとする説。彼はある洋食屋に行くと「カレー粉抜きのカレーライス」という注文をよくしていた。この料理には当初名前がなかったので、店員たちはこれを「林さんのカレーライス」、更に略して「林ライス」と呼ぶようになった。これが他の客にも伝わって評判となり、いつしか他の店でも食べられるようになった、とするもの。自著でこの説を紹介した楳垣は「面白いが作り話に違いない」とこれを退けている。

早死説

江戸時代以前の日本では牛肉など、獣の肉を食する習慣が無かったことはよく知られている。明治に入ってから洋食文化が流入してくると、洋食料理店などで獣肉を使用した料理が普及し始めた。洋食料理が流入し始めた明治初期の頃には、それまでの食文化の経緯から獣肉を食することに否定的であったため「獣の肉など食べたら早死にする」という噂が立り、其処から「早死ライス」と呼ばれるようになった、とする説。

実はハヤシライスはカレーライスより古い!?

いつもカレーライスの二番煎じ的な扱いを受けているハヤシライスだが、実は日本における歴史はハヤシライスのほうが古い可能性がある。

カレーが初めて登場した日本の文献は、福沢諭吉が1860年に発刊した「贈呈華英通語」だ。文献内では「Curryコルリ」と書かれていた。また初めてカレーの調理法を記載したものは、敬学堂主人という名義で1872年(明治4年)に出版された「西洋料理指南」である。

一方、ハヤシライスの名前が初登場した文献は、1888年(明治21年)の「軽便整容料理法指南:実地応用一名・西洋料理早学び」だ。

…となるところだが、元の呼び名が「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライスだった説」を思い出してほしい。

この説が本当なら、ハヤシライスという呼び名に変化するまでには、それなりの年月が必要なはずだ。カレーが登場するより前にこの「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」があった可能性は十分にある。

いずれにしても出回り出したのはどちらも明治初期の話で、その時期に大きな差はないのだ。

ハッシュドビーフとハヤシライスの違いは?

白米を主食とする日本人にとって、ごはんに何かをかけて食べるとことにはこだわりがありますよね。ご飯にかけて食べるものといえば牛丼やカレーが思い浮かぶのですが、ハヤシライスも大好物という人も少なくないでしょう。

ハヤシライスと言えば、次に出てくるのがハッシュドビーフですが、両者の違い、ご存じですか?実際にどの点が違うのか、はたまた全く同じものなのか、いろいろ調べてみました。

じつは、違いは曖昧!

ハッシュドビーフは薄切り牛肉とタマネギを炒めて、デミグラスソースで煮込んだものです。その名前から西洋の料理と思われがちですが、実はれっきとした日本生まれの料理。日本生まれの西欧風料理ということですね。完成度の高さから、西洋でも白米にかけずにそのまま食べてもおいしいと好評となりました。

デミグラスソースで煮込んだものが日本独自ということで、ハッシュドビーフという呼び名はもともと西欧にもあったそうですよ。

対するハヤシライスはどうでしょうか。ハヤシライスはデミグラスソースではなく、トマトソースで煮込んだもの?と覚えている方も多いと思います。ですが、ハッシュドビーフもトマトソースで煮込むことがありますし、ハヤシライスもトマトソースではなく、デミグラスソースで煮込むこともあるのです。

デミグラスソースで煮込む、あるいはトマトソースで煮込むというような違いでハッシュドビーフとハヤシライスを区別したい人もいますが、実際には、その違いは曖昧なんです。

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