鉛筆

鉛筆(えんぴつ)とは、筆記具・文房具の一種。顔料を細長く固めた芯(鉛筆芯)を軸(鉛筆軸)ではさんで持ち易くしたものである。

紙に筆記するために使われる。鉛筆の片側の末端部分を削って露出させた芯を紙に滑らせると、紙との摩擦で芯が細かい粒子になり、紙に顔料の軌跡を残すことで筆記される。

名称

鉛筆は、明治初期の日本では「木筆」などとも呼んだが、のちに「鉛筆」と呼ばれるようになった。

日本語で「鉛筆」という場合、機械式の鉛筆であるシャープペンシルは含まない。対して、英語で「pencil」という場合、「黒鉛を芯とする筆記具の総称」として機械式の鉛筆であるシャープペンシルを含むことがある。

貧乏削り・泥棒削り

両端を削ることを地方によっては貧乏削り・泥棒削りと呼ぶ。前述したように、鉛筆は複数本用意するのが基本だが、鉛筆の両端を削れば2本分として使える。これを貧乏削りと揶揄する。貧乏削りは有効利用できる長さが短くなり不経済な使用法でもある。

学用品としての鉛筆は、削らない側の端部の一面の塗装を薄く削ぎ、露出させた木地面に氏名などを書くことがよく行われた。この記名は、盗んだ鉛筆を「貧乏削り」すれば違和感なく削り落とすことができる。そこで、そのような窃盗の証拠隠滅が疑われる使い方を、「泥棒削り」と揶揄した。

なお、両端が青と赤になっている「2色鉛筆」の場合には、両端を削って用いられるのが普通であり、このような呼び方は用いられない。

硬度表記

1942年から45年ごろまでの極めて短い期間、ローマ字による硬度表記を敵性語とし、漢字表記に置き換えた。この時期の表記と現在の表記の対応表は以下の通り。

二軟 = 2B
一軟 = B
中庸 = HB
一硬 = H
二硬 = 2H

現在ではJIS S 6006にて芯の硬さの種類を表す記号を定めており、軟らかい方から順に6B, 5B, 4B, 3B, 2B, B, HB, F, H, 2H, 3H, 4H, 5H, 6H, 7H, 8H, 9Hの17種類が存在する。2008年10月1日、三菱鉛筆が全国で10B, 9B, 8B, 7B, 10Hの鉛筆を販売開始した。同社によれば、2008年5月現在で世界最多となる全22硬度の鉛筆を製造販売している。また、これ以前から主に埼玉県・群馬県限定で、10B, 8Bの鉛筆を製造販売していた。これは埼玉県内で特に盛んな、鉛筆で美しい文字を書く目的の硬筆書写といわれているもの専用に開発したもの。

日本の鉛筆の歴史

日本では鉛筆は、17世紀初頭に徳川家康が最初に使用したといわれる。当時の鉛筆のつくりは現代のものとほぼ同じだった。しかしそのころは定着せず、本格的に輸入が始まるのは19世紀後半、明治時代になってからだった。明治初期の日本では鉛筆の需要は少なく、東京や横浜の輸入品専門店で少量が売られるのみだった。

鉛筆が多角形の理由

鉛筆の利用用途のほとんどは、文字を書くことにあります。その際、三本の指を使って鉛筆を握るため、構造的に三角形もしくは六角形が握りやすいのです。

まれに四角形のものがありますが、使っていると角の部分があたり、指が痛くなってきます。

色鉛筆が丸い理由

色鉛筆は鉛筆とは違って、顔料を固めて作っているため非常に折れやすいです。そのため、外見を丸くすることで中心の芯までの距離をどの角度からでも一定にし、芯を折れにくくする工夫がされています。

また、色鉛筆の用途は色を塗るために使用することが多く、必ずしも三本の指で握る必要が無いため、丸いデザインを採用している意味もあります。

現在ではシャープペンシル型の色鉛筆もありますが、強度を増した焼成芯が使われている事が多いようです。

消しゴム付き鉛筆の誕生

鉛普段から鉛筆を使う職業は色々とありますが、このアイディア商品は鉛筆と消しゴムを別々に持っていると仕事上で不便を感じていた大工さんのために考案されたとされます。

普段私たちが使っている消しゴムは「ゴム」と名の付くものの、プラスチックでできています。しかしプラスチック製の消しゴムは耐久性に乏しく、鉛筆のお尻などの細かな部分に使用するとすぐに破損してしまうのです。そのことから、鉛筆に付いている消しゴムは純粋なゴム製であり、それゆえに文字が消えづらくなってしまっているのです。

ちなみに鉛筆と消しゴムを繋いでいる金属部品には正式名称があり、「つなぎ手」を意味する「フェルール」といいます。

鉛筆を揺らすと曲がって見える現象の正式名称

人差し指と親指で鉛筆の端を持ち、上下に揺らし続けることで鉛筆が曲がって見えるという、誰しもが一度はやったことがあるであろう遊びがあります。この現象には正式名称があるのです。

ラバー・ペンシル・イリュージョン

鉛筆以外、例えばお手持ちのスマートフォンなどでも揺らすと曲がって見えます。残念ながら誰が名付けたのかは分かりませんが、この現象の正式名称は「ラバー・ペンシル・イリュージョン」といいます。

こういった現象は「錯視」と呼ばれるもので、目で起こる錯覚のことを指します。目は脳と密接な関係にあることから、脳の錯覚とも呼ばれます。例えば「どちらの線が長いでしょう?」や「色が変化していきます」など、錯視には様々な種類がありますが、鉛筆を揺らすと曲がって見える錯視は「運動視の錯視」と呼ばれる種類で、動きによって錯覚が起こるものです。

雑学

鉛筆はどのくらい書けるの?

一本の鉛筆で、ずうっと線を書き続けると、なんと50kmもの長さになるそうです。

鉛筆の価格差

鉛筆に価格差があるのはまず、芯の違いによります。
芯の違いは主に黒鉛や粘土の粒度、つまり細かさによります。書き易さ・折れにくさ・筆跡能力に差があります。
木の質も違います。削った時の削りやすさが第一で、書き心地、美しさにも違いがあるのです。
軸の塗りも、良い物ほど回数を多く塗っています。そうする事によって湿気を防ぎ、保存性が向上し、すべりどめや汚れ防止にもなるのです。また、見た目の美しさも違ってくるなどの、たくさんの違いがあります。

小学校で鉛筆が使われる理由

文部科学省では「日本語を見やすく、分かりやすく、効率的に書く」ことが出来るように、硬筆書写教育を、小1から中3まで推進しています。そのためには、正しい字を正しい筆順で、はね・とめ・はらい等の基本技術を使い、初歩のうちから覚えていくことが最も大切であると考えています。
特に低学年のお子さんは筆圧の加減が難しく、鉛筆が適しています。
シャープでは芯の出具合によって、子供の強い筆圧では折れやすい等の理由もあります。
鉛筆を回しながら書くと(これは私達が無意識の内にやっていることですね)先が鈍く尖った円錐状になり、はね・とめ・はらいが表現できます。シャープ芯では細すぎて竹をななめに切った様な形となり、はね・とめ・はらいが不安定になります。
また、人間は焦ったり緊張したりすると筆圧が強くなると言われます。そんな時、芯が太い鉛筆はシャープ芯に比べ折れにくいので良いとされ、受験会場などでも鉛筆が使われることが多いようです。

芯の硬度・濃度とは?

鉛筆の芯の濃さと硬さを表す6Bから9Hまでの記号をいいます。鉛筆の芯は、黒鉛と粘土の割合によって、硬いものから軟らかいものまであり、例えばHBでは黒鉛65%に対して、粘土35%です。
芯の硬度は6Bから9Hまで17種類あり、硬い芯はHardの頭文字Hを使い、軟らかい芯はBlack の頭文字Bで表されます。その中間にFがありますが、これはFirm(ひきしまった)の頭文字を使っています。
日本工業規格(JIS)では、HBなどを硬度記号と言わず濃度記号と言っています。しかし歴史的に表面強度の引っ掻き強さの基準として、鉛筆が使われていました。この事からも、一般的には硬度と言う表現が適していると考えられています。

最高金額の鉛筆

世界最古の文具メーカー「ファーバーカステル」社は、代々ドイツの伯爵家によって経営されてきました。伯爵自ら手掛けることから、最高級ラインは「ファーバーカステル伯爵コレクション」と冠されています。そんな最高級の文具の中に、なんと5万円の鉛筆を発見。その魅力を確かめるべく、実物をお借りして手にしてみることに。その正体は「書く・消す・削る」の3つの機能と、最高素材を使用したエレガントさを兼ね備えた、名実ともに「パーフェクトペンシル」でした。

こちらが、お借りした「ファーバーカステル伯爵コレクション」のパーフェクトペンシル(¥50,000)。スターリングシルバーのキャップの重さが、安定した手元にひと役買います。

鉛筆のボディー部分には、木目のそろったカリフォルニア杉のみを使用。節の少ない木材に施されたのは、滑りにくく美しいリブパターンの溝。そして、全体を蜂の巣から採取した天然ワックスで何層にもコーティング。手のひらに伝わる木のぬくもりは、素朴なそれではありません。しっとり滑らかな、まるでよく手入れされた高級木製家具のよう。

でも家具と違う点は、これはあくまでも鉛筆。使用とともに、この美しいボディーは削られていく運命なのです。

鉛筆のお尻の部分は、キャップを外すと消しゴムが。汚れた部分を外に出しっぱなしにせず、美しい見た目を守ります。書き心地は、あくまでも普通の鉛筆でした。確かに、芯の素材が変わってしまうと、鉛筆とは呼べなくなってしまうので、あくまでもベーシック。

キャップを外すと、そこにはなんと鉛筆削りが。「パーフェクトペンシル」の名は、「書く・消す・削る」の3役を備えていることから名付けられたものだったのです!

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