ご当地レトルトカレーの日(3月2日)

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近年、日本全国の名産をカレーの具にした「ご当地カレー」「地カレー」と呼ばれるカレーが大人気で、500種はあるといわれています。そのラインナップを覗いてみると…北海道の「たらばがにカレー」、宮城県の「厚切り牛タンカレー」、福井県の「越前いかカレー」、富山県の「しろえびカレー」、広島名産の「かきカレー」などなど、まさにその都道府県イチオシの名産がフィーチャーされています。中には、戦艦大和の乗組員さんの証言に基づいて再現された広島県呉の「海軍さんのカレー」や、山口県の下関発「くじら南極海カレー」といったレアなカレーもあります。
フルーツ系カレーも多彩で、山形県産「さくらんぼカレー」や、茨城県産「メロンカレー」、和歌山県産「みかんカレー」、桃太郎を生んだ岡山県産「白桃カレー」など、華々しい様相を見せています。果物ではないけれど、静岡県産「わさびカレー」や、茨城県産「ほしいもカレー」、「栗カレー」も気になるところです。
極めつけは、カラー系のカレーです。鳥取県名産のビーツで色付けされたカレーは、その名も「ピンク華麗」。ラブリーなピンク色のカレーソースが衝撃です。また、北海道の流氷をイメージした「オホーツク流氷カリー」は、食卓に出された瞬間、顔面蒼白になること間違いなしの真っ青なカレー。味はバターチキンカレーに似て美味しいそうですが、青は食欲を減退させる色なので、ダイエット中の方に向いているかもしれませんね。

ご当地カレーベスト10!

カレーの研究機関である、カレー総合研究所による全国調査(平成26年3月)によると、ご当地カレーのランキングはこの通り。 

1位には神奈川県横須賀市の「よこすか海軍カレー」 横須賀市はカレーブーム以前の1999年に「カレーの街よこすか」を発足させ、長期にわたる地道なPRがこの結果に表れています。 しかし、全国の6割以上の人がその存在を知っているなんて凄すぎる。海軍カレーは3位の呉市でもランクインしています。海軍カレーパワー恐るべしですね。 

第2位には北海道札幌市の「スープカレー」 飲食店が全国展開し、店舗を通じて地元の味を全国に広めています。商品としてもハウス食品やSB食品などが商品を出していて、カレーの中でも一つのジャンルとして認識されていることが知名度に繋がっていると言えます。

4位以下には金沢カレー・焼きカレー・オムカレーなど地域の特徴を生かしたカレーが選ばれています。これらのカレーは地元では圧倒的支持を受けているのが特徴と言えるでしょう。
しかし、上位2つのカレーが圧倒的な知名度を誇り、その他を大きく引き離しています。グルメのもつ歴史やカレーとしての完成度の高さが大きなアドバンテージになっているようですね。

よこすか海軍カレー(神奈川県横須賀市)

横須賀では平成11年より「よこすか海軍カレー」という名称で、明治末期・日本海軍のカレーを再現したグルメで街おこしをしています。

海軍カレーは「海軍割烹術参考書」(明治41年)に記載のレシピ(カレイライス)をもとに、現代に復元したカレーです。昔なつかしい、カレーの原点と言える味を再現しています。海上自衛隊・市役所・商工会議所で事業を組織しており、横須賀市は「カレーの街よこすか」を宣言しています。市内提供店は30を超え、お土産用のレトルトも10種類以上発売されています。

横須賀市はカレーの街として、スタートから一度もトップの座を譲ることなく、常に新しい取り組みを打ち出してきました。

しかし、変わらないのは、「まちおこし」への姿勢。 本場の海軍カレーを食べに来てほしい、というコンセプトは発足時から変わらず。 横須賀市外での海軍カレーの提供・販売は一切行っていないため、食べるには横須賀に行くしかない! 

商業面を考えると、スープカレーのように首都圏進出する手もあると思いますが、この一貫した姿勢にはシビレますね

さすが、海軍カレー! 平成26年に実施した「全国ご当地カレー知名度調査」では見事No1を獲得。

門司港焼きカレー(北九州市)

「焼きカレー」のスタートは、昭和30年代の北九州市「山田屋」という和食店。土鍋にカレーを入れグラタン・ドリア風にオーブンで焼いたところ、実に香ばしく美味しく仕上がったため、お店のメニューとしたところ大好評を博したという。
門司港は、国際貿易港として栄えた港町で洋食文化が早くから発達していたため、「焼きカレー」はハイカラなメニューとして親しまれ、家庭料理としても広まっていった。
現在では30店舗以上で焼きカレーが提供され、門司港の名物料理・ご当地カレーとして定着しています。

「焼きカレー」の定義としては ①カレーにチーズがかかっていること ②「焼いていること」の2点のみ

平成25年から門司港レトロカレーフェスティバルを開催、九州でのご当地カレーイベントとして8万人の来場があるなど、カレーの一大ムーブメントを引き起こしている。

北本トマトカレー(北本市)

埼玉県北本市では、特産品のトマトを使ったトマトカレーで「まちおこし」を進めています。2011年「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」でB級グルメとして初優勝を飾り「北本トマトカレー」はデビューを飾り、一躍北本市を代表するグルメとなりました。このカレーの特徴は、徹底的にトマトにこだわることにあります。基本ルールは次の3点。
①ライスをトマトで赤くする ②ルーをトマトで赤くする ③トッピングにもトマトを使う
まさにトマトの美味しさを知り尽くしている北本市だから出来たカレー。

もともとカレーとトマトは親和性が高く、カレーの味わいの中でも「酸味」を出すのに欠かせないアイテムです。
2014全国ご当地カレーグランプリ(横須賀)でも優勝を飾り、2015年にはレトルトカレーも発売。 

快進撃を続ける注目のご当地カレーです。ぜひ、北本市へ!!

富良野オムカレー(北海道富良野市)

北海道富良野市では、2006年より地元食材に徹底的にこだわり、国民食のカレーライスとオムライスを組み合わせた「富良野オムカレー」を全国にPRしている。地産地消を実践する六カ条のルールが、グルメのクオリティーを高めている。
①ライスは富良野産を使い工夫を凝らすこと
②卵は富良野産を使い中央に旗を立てる
③富良野産のチーズまたはワインを使用する
④野菜・肉・ピクルスも富良野産
⑤富良野産の食材にこだわった一品と「ふらの牛乳」をつける
⑥料金は1000円以下で提供する
北海道では「ご当地カレーネットワーク」という組織があり、富良野市が中心的存在となっています。WEB戦略も巧みで、富良野市では地域を巻き込んだオムカレーによる「まちおこし」が展開されています。

カレーの歴史

インド生まれのカレーがヨーロッパに伝わる

インドには5000年前からスパイスを使った料理が存在しました インドでは「アユルベーダ」という医食同源の考え方があり、薬効のあるスパイスを巧みに使い調合し、日々の食生活に生かしてきたのです。

インド料理の特徴は多数のスパイスの組み合わせにあり、スパイスを使った料理をカレーと定義するならば、ほとんどの料理がカレーという事になるくらい、インド料理とスパイスは密接に結びついて進化を遂げてきたのです。

17世紀に入ると、スパイスと交易を目的としたヨーロッパのアジア植民地政策の波が押し寄せ、インドはイギリスの植民地となります。当時のインド総督ヘイスティングは1772年にカレーのスパイスを本国に持ち帰り、インド生まれのカレーがヨーロッパで食文化として受け入れられるようになりました。

カレー粉の開発がカレー界を変えた! C&B

イギリスを中心としてヨーロッパに浸透し、英王室にも愛されたカレーだったが、多数のスパイスを揃えるて調合するというハードルがあり、誰もが家庭で作ることのできる料理ではなかったが、19世紀になると英C&B社が世界初のカレー粉を製品化。カレーライスが大流行。本当の意味で身近で手軽な料理になったのです。

C&B社は現在でも営業を続けており、カレー粉は業務用ユースが中心ですが入手することが可能です。(アマゾン等で購入できます)カレーファンの皆様ぜひお試しあれ!

ついにカレーが開国した日本へ!

カレーが日本に伝わったのは、江戸時代末期です。300年に渡る鎖国政策の崩壊し、交易がスタートした日本では、急速に西洋文化が流入します。伝来の地は横浜でした。当時は外国人居留地があり、出入りしていた日本人を通じてカレー文化が広まっていったのです。

明治5年には日本最古のカレーレシピが発行されます。①『西洋料理通』ネギ・ニンニク・バター・鶏・エビ・タイ・カキ・アカガエルにカレー粉を入れて煮込みます。小麦粉は後から水溶きの状態で入れます。 アカガエルが入っている事と最古のレシピであることから、メディアで紹介されることもあります。調理に自信ある皆さんぜひチャレンジしてみては?

②『西洋料理指南』料理通に遅れること数か月のレシピですが牛肉・鶏肉・ネギ・リンゴ・カレー粉・小麦粉・スープ・ユズを入れるとあります。材料を見てもわかるように、現代のカレーに近くカレーライスの原型とも言えるレシピとなっています。

※再現したカレー、旨いですよ! レシピには詳しい分量が書いていないのですが、多少アレンジすると美味しくいただけます

いずれにしても、カレーの作り方が書籍に記載されてから、140年以上が経過しています。日本のカレーの歴史は長い! ここから国民食への道がスタートしたのです。

軍隊食に採用されたカレー 海軍カレー

明治初期、組織されて間もない日本海軍は隊員の栄養失調に悩まされていました。日本食は質素な食事でタンパク質・ビタミン類が不足していたこと、船上の業務では食材の保存の観点からさらに栄養が偏りがちだったのです。

このため、のちに海軍軍医総監となる高木兼寛がイギリス海軍の食事を手本としてカレー風味のシチューに小麦粉でとろみをつけたカレーライスを採用しました。
これが日本の「海軍カレー」のスタートとなりました。

明治41年発行の「海軍割烹術参考書」には日本海軍でのカレイライスの作り方さ記載されています
材料には、牛肉または鶏肉、玉葱、人参、馬鈴薯、カレー粉、小麦粉を使うとされています
レシピ通りに作ってみたのが写真です。まさに現代のカレーそのものです。化学調味料と豚肉とエキスを使わないのであっさりとしたカレーですが、見た目も味も現代でも十分に通用するカレーですよ!

昭和 国産カレー粉開発と人気カレー店の時代へ!

1926年~30年にかけて、ハウス食品(の前身:浦上商店)「ホームカレー」、SB食品(の前身:日賀志屋)「ヒドリ印カレー」などが相次いて発売されました。

しかも当時は「カレーライスのタネ」「即席カレー」という名前で熱湯で溶くだけで食べられるのが特徴のカレーも発売されていました。
昭和に入ってようやく、自宅で誰でもある程度手軽にカレーが作れるようになったのです。

また、カレーの知名度と人気が上がったのは人気洋食店の存在がありました。カレーの名店の名を欲しいままにする新宿『中村屋』が1927年に「純印度式カリー」の提供をスタート。本場インドの味を求める人が行列をつくり空前の人気メニューとなりました。
西では阪急百貨店が「どこよりもよい品物を、どこよりも安く売りたい」というキャッチで看板メニューにカレーライスを据えて1日13,000食を売っていたといいます。

明治・大正時代には庶民の憧れだったハイカラなカレーライスは昭和に入って着実に、誰でも手の届くメニューとなってきたのでした。

固形ルーの登場

戦時中はカレーライスにとっては冬の時代でしたが、戦後に入り新たな展開を迎えます。

固形カレールーの誕生です。1950年に製菓メーカーのベル食品が板チョコの形状に見立てたカレールウを発売して大ヒットになりました。

戦後まもない50年代~60年代は、食文化も「新しいもの」を求める風潮が強く「簡単・便利」がキーワードの時代でした。戦後の復興には社会も人々も大きなエネルギーが必要で、誰もが忙しい時代だったのです。

画期的発明のレトルトカレー(1968年)

「ボンカレー」(大塚食品)が日本初のレトルト食品として発売される。お湯で3分温めるだけで食べられるレトルト食品の発売は衝撃でした。当時は値段も80円と高く、賞味期限も短いという問題もあった。しかし日清食品のカップヌードル(1971年)に先駆けること3年、カレー市場の開拓者となった画期的商品でした。

「ククレカレー」(ハウス食品:1971年)の大ヒットで市場が急拡大! SB食品・グリコも続いて商品を発売。 現在では2000種類を超えるレトルトカレーが販売されるようになりました。※当時の写真がないのでイメージです

学校給食

カレーが「国民食」とまで言われるように背景で忘れてはならない事柄が「学校給食」にカレーが採用されたことがあげられます。

もともとカレーは辛いので大人が食べるものという認識があり、甘口のカレーが出るまではハヤシライスを食べていました。しかし、学校給食にカレーが登場するようになると辛さを抑えたカレーが受け入れられるようになりました。

1982年には全国学校栄養士協議会の発案により、全国の学校でカレーが一斉に給食に出される「全校一斉カレーの日」が実施されました。実施日の1月22日は、「カレーの日」として現在でもさまざまなカレーイベントが開催されています。

1964年にハウス食品から「バーモントカレー」が発売されると、爆発的にヒットを記録します。カレールー市場の30%のシェアを独占するまでの商品となったのです。

「リンゴとはちみつの甘いカレー」は子供だけでなく家で作るカレーのべースとなりました。家庭でカレーを作る際には子供の好みに合わせて甘口のカレーである必要があったのです。発売されたばかりのバーモントカレーを子供の頃に食べた世代が大人になっても家で食べるカレーは「バーモントカレー」という構図は変わりません。バーモントカレーは2種類のカレーを混ぜるときのベースとしても利用されることが多く、現在でも大きな市場シェアを維持しています。

その後のカレーブーム

  • 2001~2 カレー専門店ブーム カレーミュージアムのオープンによりレベルの高いカレー専門店がクローズアップされました
  • 2003 カレーうどんブーム カレーうどん専門店が全国にオープンしました
  • 2004~5 スープカレーブーム 「マジックスパイス」のブレイクがきっかけで全国にスープカレーが店舗展開
  • 2007 カレー鍋ブーム カレー鍋専門店もオープン 居酒屋メニューとしても定着
  • 2008~9 キーマカレーブーム 彩豊かな野菜をつかったヘルシーなキーマカレーの人気が爆発
  • 2011 バターチキンカレーブーム 日本人の味覚にマッチしたバターチキンカレーが国民的現象に カレーの新しいジャンルを切り開きました。
  • 2012~ カフェカレーブーム ワンプレートでオシャレなカフェのカレーが首都圏を中心にブームに
  • 2013 大人の甘口カレーブーム ただ辛いだけでなく甘くコクのあるカレーがトレンドになりました。

カレーの雑学

“ポーク”vs“ビーフ” 東西の分かれ目は?

ご飯とカレーと具のハーモニーを楽しめる具入りカレーには人それぞれのこだわりもあると思いますが、同調査でもっとも人気の高かった「我が家のカレーの具」は“ポーク”(370票/36.5%)だったそう。
2位は“ビーフ”(267票/26.4%)、3位は“チキン”(206票/20.3%)という驚きの結果に、「そんなバカな!」という人も多そうですね。

さて、一番人気となった“ポーク”ですが、実はこの結果、東日本と西日本で大きな差が見られるのだそう。
同調査の結果を各都道府県別に見ると、なんと東日本では“ポーク”が西日本では“ビーフ”がトップという結果になっています。

さらに、同調査でその境目として言われているのが三重県と滋賀県。それぞれ、三重県では“ポーク”が滋賀県では“ビーフ”がトップとなっていることからそのように結論付けられているようですが、三重県と滋賀県在住・出身の皆さんはどうでしょうか?

そもそもカレーとは?

インドに”カレー”は存在しない!

「カレーはどこの国の料理か?」と聞かれたら、ほとんどの人が「インド」と答えるだろう。”カレー=インド”という方式は、”寿司=日本”と同じように常識のようなものだ。しかし、実はインドにはカレーという料理は存在しない。カレーの種類を挙げる場合、日本ではビーフカレーやチキンカレー、シーフードカレーなど、具材+カレーと呼ばれることが多いが、インドではマトンサグやチキンバターマサラ、アルパラク、シャーヒパニールなどと呼ばれている。カレーと名付けられた料理は存在せず、料理のカテゴリーでもない。それもそのはず、インドの公用語であるヒンディー語にカレーという言葉はないのだ。カレーという言葉の語源は、南インドやスリランカで話されるドラヴィダ語族で肉や食事を意味する「kari(カリ)」だと考えられている。

インドの特徴的な料理は全て”カレー”

では、我々はどんなインド料理をカレーと呼んでいるのだろうか?一言で説明すると、いろいろなスパイスを使って食材に味付けするインドの特徴的な料理を “カレー”と呼んでいるのである。例えば、羊の肉とほうれん草を煮込んでスパイスで味付けした料理は、日本では”マトンとほうれん草のカレー”などと名付けられる。しかし、インドでは”マトンサグ”だ。もう一つ例を挙げると、トマトベースで鶏肉を煮込んでスパイスで味付けした料理は、日本では”バターチキンカレー”だが、インドでは”チキンバターマサラ”である。日本ではどちらもカレーと呼ばれるが、インドでは全く違う料理なのである。尚、日本だけでなく多くの国で同じようにインド料理の多くをカレーと呼んでいる。

日本のカレーの歴史

日本のカレーとインドのカレーの違い

多くの日本人にとって、カレーとはカレールーを使って作るカレーライスを指す。そして、このカレーはインドのカレーとは違う。インド料理店でカレーを食べたことのある人ならわかるはずだが、牛肉を使ったカレーも鶏肉を使ったカレーも全く違うものである。まず、日本のカレーは小麦粉によってとろみがつけられ、スパイスも控えめである。日本人の口に合わないような風味のスパイスは使われていないか、存在感を消されている。一方インドのカレーにはとろみがなくサラサラ。そして、ココナッツやシナモン、カルダモンなど、独特な味わいのある様々なスパイスを組み合わせて作られている。日本人はインドカレーを食べると「これがカレー?」と驚き、インド人は日本のカレーに驚くのだ。

日本のカレーはイギリス風

本場インドのカレーとは全く違う日本のカレーは、どのように日本に伝わったのだろう?そして、なぜインドカレーとは違うのだろう?インドはイギリスによって統治された歴史を持ち、多くのイギリス人がインドに居住していた。1772年にインド総督のウォーレン氏がインドのカレーを持ち帰り、イギリスにカレーが広まった。その後イギリスの食品メーカーがスパイスを調合した”カレー粉”を商品化し、牛肉を使う、とろみをつける、などイギリス人の食生活に合うようにアレンジされたイギリス風カレーが定着した。日本へカレーが伝わったのは1870年代。インドからではなくイギリスから伝えられたため、イギリス風のカレーが日本に定着したのである。

日本で最初のカレー”カエルカレー”

日本最古のカレーの具材

カレーの味は家庭ごとに異なる。同じメーカーのルーを使っても、煮込む時間や具材によって、どこか風味の違う”家庭の味”となる。カレーの具と言えば、玉ねぎ・ジャガイモ・ニンジン・肉が基本だが、日本にカレーが伝わった頃の具は全く違うものだった。1872年(明治5年)創刊の「西洋料理指南」で紹介されたカレーの作り方にはこう書かれている。

  1. ねぎ・生姜・ニンニクをみじん切りし、バターで炒める
  2. 水を加え、鶏・えび・タイ・カキ・カエルを入れて煮込む
  3. カレー粉を加えて更に1時間ほど煮込み、塩と水で溶いた小麦粉を加える

現在の基本のカレーの具とは全く違うものが使われていたことがわかる。玉ねぎ・ジャガイモ・ニンジンの栽培が本格化する前にカレーが日本に伝わったため、この時代のカレーには使われていないのだ。

カエルが使われた理由

カレーの具にカエルとは衝撃である。一体なぜカエルなのだろう。はっきりしたことはわかっていないが、日本にカレーが伝わった開国時にイギリス人は中国人の使用人を連れて来日しており、その中国人たちが中国で調理に使われるカエルをカレーに使ったのではと考えられている。

カエルカレーの味

カエルの肉を食べると聞くと衝撃だが、世界的に珍しいことではなく、食用のカエルも存在する。特にインドネシアや中国ではよく食べられており、日本でも食べることはできる。カエルの肉の味、食感共に鶏肉に近く、臭みもない。そして、あっさりとして美味しい。魚介類とカエルの肉の旨みが染み込んだカエルカレーは、きっと絶品だったことだろう。

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