トマト

イタリア語で「ポモドーロ」=「黄金の果実」
フランス語では「ポム・ダムール」=「愛のリンゴ」
イギリスでも「ラブ・アップル」=「愛のリンゴ」

トマト(学名:Solanum lycopersicum、英語: Tomato)は、南アメリカのアンデス山脈高原地帯(ペルー、エクアドル)原産のナス科ナス属の植物(1990年代まではナス科トマト属の植物とされていましたが、様々な系統解析の結果、近年ではナス科ナス属と見直されました。)。また、その果実のこと。多年生植物で、果実は食用として利用される。緑黄色野菜の一種である。日本語では唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)、珊瑚樹茄子(さんごじゅなす)などの異称もある。

「トマト」の語源はナワトル語(※1)でホオズキの実を意味する「tomatl」(トマトゥル)に由来する。

(※1)ナワトル語は、ユト・アステカ語族に属する言語で、今はメキシコなどで推定150万人のナワ族に話されている。メキシコの「言語の権利に関する法律」によって、スペイン語や他62の言語と同等に、「国語」とみなされている。かつてアステカ人や周辺のインディオが使っていた古典ナワトル語を指してナワトル語と呼ぶ場合がある。

「狼の桃」という学名の謎

トマトの学名をご存知でしょうか?学名は「リコペルシコン・エスクレンタム(Lycopersicon esculentum)」といい、18世紀のイギリスの園芸家フィリップ・ミラーが命名しました。” リコペルシコン ”は「オオカミのモモ(狼の桃)」という意味です。また” エスクレンタム ”は「食べることのできる」という意味です。なので合わせると、リコペルシコン・エスタレンタムは、そのまま「食用の狼の桃」ということになります。

なぜ「オオカミのモモ」なのでしょうか。モモは桃のような果物を指しているのは分かりますが、オオカミの意味はまったく分かりませんよね。実はむかし、18世紀頃まではトマトには毒があり恐ろしい植物とされていました。リンネも恐らく、そのように思っていたのでしょう。そこからリンネは「恐ろしいトマトを食べるなんてオオカミだけ」と考えて、このような学名になったという説があります。

品種

世界では、8,000種を超える品種があるとされ、日本では120種を超えるトマトが品種登録されている。これは、野菜類の登録品種数の中でも、目立って多い。

年間購入量(重量ベース)

トマトは生鮮野菜類中5位に位置する。これは一般消費者家庭でダイコン、ジャガイモ、キャベツ、タマネギに次いでトマトが多く消費されることを示唆するものである。

収穫量上位10都道府県

収穫量順位都道府県収穫量(t)作付面積(ha)
1熊本県104,3001,150
2北海道58,000791
3茨城県48,700892
4愛知県45,600529
5千葉県44,400834
6栃木県36,300391
7岐阜県26,600311
8福島県26,100398
9群馬県25,500320
10長野県22,700399
全国計722,40012,000

世界のトマトの収穫量上位10か国

収穫量順位収穫量(t)作付面積(ha)
1中華人民共和国50,000,0001,000,000
2インド17,500,000870,000
3アメリカ合衆国13,206,950150,140
4トルコ11,350,000300,000
5エジプト8,625,219216,395
6イラン6,000,000160,000
7イタリア5,131,97791,850
8スペイン4,007,00048,800
9ブラジル3,873,98563,859
10メキシコ3,433,56796,651
世界計161,793,8344,803,680

日本の収穫量は26位で722,300t、作付面積は43位で12,000haである。

食材としてのトマト

トマトは生食されるほか、サラダや焼きトマトなど、そのままを味わう料理も数多くある。手を加えた料理でよく知られているものにメキシコ料理のサルサ、イタリア料理の各種ピザ、パスタ用ソース、インドのカレーの一部、ヨーロッパのシチューの一部などがある。中華料理でもトマトと卵を合わせた炒め物(前述の西紅柿炒鶏蛋)やスープにされる。中央アジアではラグマンなどに利用されている。また、日本でトマトラーメンを出す店も増えている。

ケチャップ、トマトソース、ピザソースなどに用いられるためトマトの年間消費量は1億2000万トン以上と、野菜の中でも世界1位である。また、グルタミン酸の濃度が非常に高いためうま味があること、酸味・水分があること、なども理由に挙げられる。

好きな野菜ランキングでは子供大人ともに1位に挙がることが多く、人気がある一方で苦手な野菜としても上位に挙がることが多く、好みが分かれる一面がある。

日本や上記の国の他には韓国でピンク系トマトが多く消費される。ちなみに韓国ではトマトは果物の一種と考えられることも多く、輪切りにしたものに砂糖をまぶして食べるのがありふれた食べ方のひとつである。中国や日本においても砂糖をまぶす場合がある。

トマトの加工食品として、トマトジュース、トマトケチャップ、トマトソース、トマトピューレ、ドライトマト(乾燥トマト)などがある。また缶詰としてホールやカットやジュースが販売されている。

トマトが果物か野菜か最高裁判所で争われた

スイカと並んで野菜なのか果物なのか分からなくなりがちなトマト。一般的にはトマトは野菜だというのが常識ですが、過去にはトマトが野菜か果物かが裁判で争われた事もありました。

1893年アメリカー。当時の関税の制度では野菜を輸入すると税金を納める必要がありましたが、果物の輸入には関税がかけられていませんでした。

そこで輸入業者たちはトマトに関税がかからないように「トマトは果物だ!」と主張。しかし、役人たちはこれを認めず「トマトは野菜である!」としました。

植物学者も加わり論争はエスカレート。最終的に米国最高裁にまで話がもつれ込み、裁判所での判決に委ねる形となりました。

多くの人々を巻き込んだトマト裁判は「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」との判決が言い渡され、『トマトは野菜である』という結論に至ったそうです。

トマトは夏の季語だけど夏が1番美味しくない

トマトと言えば夏のイメージが強い方も多いかもしれません。実際に日本の伝統文化である俳句などでトマトは夏の季語とされています。

このように、完全に夏野菜のイメージが定着しているトマトですが、意外にもトマトが一番おいしいとされる旬の時期は、春~初夏と秋なのです。

トマトが食用として栽培されるようになったのは明治時代。当時は温室などの設備が不十分だったため、トマトを食べるには春に種をまいて夏に収穫するしかありませんでした。このことから夏野菜としてのイメージが定着したと考えられています。

そもそもトマトは高温多湿に弱く、蒸し暑い日本の夏にはあまり向いていません。そのため、国産のトマトであれば夏以外の季節に収穫されたものが一番美味しいそうです。

おいしいトマトを簡単に見分けるには?

真っ赤に熟れたトマトを見ると食欲をそそられますよね。トマトの子供は緑色で、そこから成長すると赤くなっていきます。トマトを選ぶときには、出来るだけ濃い赤色のものがいいといわれています。ところが、単純にトマトの色が濃ければ美味しいわけではありません。

そんな時、簡単に美味しいトマトを見分ける方法があります。それは、トマトを水に浮かべる方法です。例えば、見た目が美味しそうなトマトが何個もあるとします。どれもおいしそうに見えますが水に浮かべてみると沈むものと浮かぶものがあります。これはどうしてでしょうか?

糖度(甘味)と酸(酸味)の多く含まれていて、味が濃くておいしいトマトは水に沈みます。その一方で、糖度と酸味が少なくコクのないトマトは水に浮かびます。なかなかお店の中では水に浮かべたりするのは難しいですが、自宅でトマトの美味しさを見分けることができるんです。

ミニトマトは、食卓ではなく 元々 飛行機の機内食で食べられる野菜だった

40年前 ミニトマトは、日本には馴染みがなく、アメリカやヨーロッパなど海外の飛行機で機内食として食べられていた。
機内食にカットした大きなトマトを使うとトマトから出る水分で他の野菜が傷んでしまうため一口で食べられ、カットする必要がないミニトマトを使用していた
そんな機内食のミニトマトを見て感動した日本の農業関係者が栽培を始め、
日本の飛行機の機内食でも使われ始めると、「かわいい」「食べやすい」と乗客から大好評このことがきっかけで一般家庭にも知られ、食卓に定着した

トマトは有毒だとされていた

現在では体に良いとされているトマトですが、16世紀のヨーロッパでは「poison apple(毒リンゴ)」と呼ばれ、有毒の植物とされていたことはあまり知られていません。

当時の貴族達が好んで使っていたピューター食器には鉛が多く含まれていました。この器を使ってトマトを食べたため、酸性のトマトにより鉛が溶け出し鉛中毒となる人が多かったと言われています。

鉛中毒の原因がわかった後も、猛毒の植物であるベラドンナとトマトの苗が似ていたことから毒があると信じる人が多かったそうです。

かつてトマトは観賞用だった

ヨーロッパの人々に猛毒を持っていると誤解されたトマト。誤解が解けた後もトマトを食べようとする人は少なく、長い間鑑賞用の植物とされていました。

しかし、当時イタリアに住んでいた貧困層の人々の中からトマトを食用にしようと考える者が現れました。彼らが200年にも及ぶ改良を重ねた結果、現在の美味しいトマトができたと言われています。

ちなみに、トマトが日本に伝わったのは江戸時代に当たる1600年代。当時の日本でも真っ赤な色が気味悪がられ食用とはされず、明治時代に入るまで観賞用とされていました。

トマトには実際に毒がある

長い期間を経て有害ではなく体に良いことが証明されたトマトでしたが、実はトマトに微力の毒が含まれています。

トマトに含まれるトマチンというアルカロイド配糖体。複数の菌に対する抗菌作用や昆虫に対する忌避効果がある毒性の成分です。

気になるのは人に対する有害性。トマチンの含量は品種によっても異なりますが、食用とされるトマトは品種改良が行われており、人体への健康被害は無視していいレベルだそうです。

アメリカ小話「トマトとなす」

ベティは家庭菜園で野菜を栽培しているが、
彼女のトマトが赤くならないことに気をもんでいた。

或る日散歩の途中、ベティはご近所の紳士の菜園のトマトは
大きくて真っ赤だったことを思い出した。

そこでベティは紳士を訪ねて、
「どうしたらこんなに赤くなるのですか?」と訊いてみた。

すると紳士は、「私は一日二回、トマト畑に『私自身』を見せてやるのさ。
すると、トマトは恥ずかしがって、赤くなるのだよ」
と秘訣を明かしてくれた。

感銘をうけたベティは、同じことを彼女の家庭菜園で実験しようと決心した。

ベティは、好結果を確信して二週間の間、一日二回、
「彼女自身」を菜園の野菜に拝ませたのである。

或る日、かの紳士は近くに来たついで、ベティーに質問した。
「例の件、実行してみた? 君のトマトは赤くなったかね?」

「いいえ」と言ってベティは続けた。
けれど、なすはとっても大きく立派になったわ」

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