幕内最高優勝賞品

幕内最高優勝賞品(まくうちさいこうゆうしょうしょうひん)とは、大相撲で幕内最高優勝を達成した力士に贈呈される賜杯、賞状および副賞である。かつては簡素なものであったが時代とともに賞品の数が増え、現在では20種類以上の表彰が行われ時間も40分以上かかる。また優勝賞品は、開催地自治体からのものなど各場所によって多少異なる場合がある。なお、土俵上は女人禁制であるため、授与する人物は男性に限定される。天皇賜杯を筆頭とする優勝賞品のトロフィーは、本場所開催中入り口付近に展示されている。

★正賞

天皇賜杯(てんのうしはい)/賞状

優勝旗/賞状・副賞1000万円

賜杯・優勝旗は翌場所初日の幕内土俵入り・横綱土俵入りのあとに行われる返還式で優勝力士本人から返還されることになっている。なお、怪我などによる休場や翌場所開催前の引退で本人が返還できない場合は原則として所属部屋の師匠が代行する。二枚鑑札の力士が優勝翌場所を全休した場合は本人=師匠であるため師匠の出席も困難となるが、優勝旗手制度廃止以降でその例はない。なお、1989年3月場所の千代の富士のように、場所終盤の故障により一人で賜杯を受けられるかどうか危ぶまれたため師匠が付き添った例がある。

★内閣総理大臣杯

基本的に内閣官房副長官クラスの政治家が手渡すことになっているが、首相本人や内閣官房長官が手渡す場合もある。首相が授与した例は以下。

  • 小泉純一郎 – 2001年5月場所(優勝:貴乃花)、2005年11月場所(優勝:朝青龍)
  • 麻生太郎 – 2009年1月場所(優勝:朝青龍)2009年5月場所(優勝:日馬富士)
  • 鳩山由紀夫 – 2009年9月場所(優勝:朝青龍)
  • 菅直人 – 2010年9月場所(優勝:白鵬)
  • 野田佳彦 – 2011年9月場所(優勝:白鵬)
  • 安倍晋三 – 2013年1月場所(優勝:日馬富士)、2014年5月場所(優勝:白鵬)、2019年5月場所(優勝:朝乃山)

その他、地方場所(大阪・名古屋・博多)では会場近隣の選挙区選出の政務次官、副大臣、大臣政務官クラスの政治家が渡す場合がある。いずれにしても、総理大臣杯は相当の重量があるため、呼び出しが補助について持ち上げるのが普通である。

★優勝額(毎日新聞社寄贈)

優勝額(優勝者には小型の額)/賞状/金一封
※ 優勝額は東京場所初日の賜杯・優勝旗返還式のあと、前2場所の優勝力士を改めて表彰し、除幕される。2013年までは彩色家の佐藤寿々江が、力士のモノクロ写真に、絵の具にて着色したものを贈呈していたが、佐藤が高齢となったことや、本人の強い意向により後継者への継承をしないことになり、2014年からはデジタル処理したパネル写真が贈呈・掲額される。

友好杯

チェコ共和国友好杯

友好杯(クリスタルグラス製カップ)/副賞(ピルツナーウェルビール1年分)/賞状

アラブ首長国連邦友好杯

友好杯(アラビア伝統のコーヒーポット)/副賞(ガソリン1年分)/賞状

★フランス共和国友好杯

友好杯/副賞(ピエール・エルメ・パリ製マカロン詰め合わせ)/賞状

メキシコ合衆国友好楯

友好楯/副賞(コロナビール1年分)/賞状

ハンガリー共和国友好杯

トロフィー/副賞(ティーセット)/賞状

1986年から平成三十一年三月場所まではヘレンド・トロフィーであったが、令和元年五月場所からはティーカップのトロフィーに変更。

中日友好景泰藍杯

景泰藍杯/賞状 ※ 東京場所のみ

モンゴル国総理大臣賞

トロフィー/賞状

ブルガリア共和国優勝杯

賞状 ※ 東京場所のみ

★アメリカ合衆国大統領杯

賞状 ※ 5月場所のみ
基本的に各国の特命全権大使やそれに準ずる人物が授与を行う。例外としてアメリカ合衆国大統領杯は創設された2019年5月場所において国賓として来日中のドナルド・トランプ大統領が観戦、直接手渡された。

地方自治体

開催地の自治体によるもの

  • 東京都知事賞:北村西望作獅子奮迅像/賞状 ※ 東京場所のみ
  • 大阪府知事賞:トロフィー/賞状/副賞(ヒノヒカリ・大阪ウメビーフしゃぶしゃぶ用ロース肉・ブランデー梅酒エクセレント・天然はちみつ) 
    ※3月場所のみ
    ※ トロフィーは翌年の3月場所前に優勝力士が大阪府庁を訪問して大阪府知事に返還し、レプリカが授与される。
  • 大阪市長賞:優勝旗/賞状 ※3月場所のみ
  • 愛知県知事賞/副賞(ウズラ卵の水煮5万個、名古屋コーチン肉100kg 卵1800個、アサリ500kg、うなぎ、など特産品が毎年選ばれる) ※7月場所のみ
  • 名古屋市長賞 ※ 7月場所のみ
  • 福岡県知事賞:トロフィー/賞状/副賞(元気つくし・福岡のり・あまおう1年分) ※11月場所のみ
  • 福岡市長賞:トロフィー/賞状/副賞(明太子1年分) ※11月場所のみ
  • 福島県知事賞:赤べこトロフィー・賞状・金一封/副賞(天のつぶ1t・福島牛・野菜と果実の詰め合わせ)
  • 福井県知事賞:トロフィー/副賞(福井梅1t)/賞状/金一封
  • 静岡県農林水産業振興会会長賞:トロフィー/副賞(静岡茶体重相当分)/賞状/金一封
  • 奈良県知事賞:トロフィー/副賞(ちゃんこ大和づくし300人前)/賞状/金一封
  • 愛媛県青果連賞:トロフィー/副賞(ポンジュース1500本)/賞状/金一封
  • 宮崎県知事賞:トロフィー/副賞(宮崎牛特選肉1頭分・旬の果実1t分)/賞状/金一封

その他団体

  • NHK金杯:金杯(正倉院の御物の模型)賞状/金一封
  • 東京新聞・東京中日スポーツ賞(中日新聞東京本社):楯/賞状/金一封 ※東京場所のみ
  • 日本航空賞:JALトロフィー/賞状/金一封
  • コカ・コーラ賞(日本コカ・コーラ)/トロフィー/賞状/金一封
  • 吉本興業賞:笑いの盾/賞状/金一封/副賞(なんばグランド花月1年間フリーパス) ※3月場所のみ
  • 酒の司大関賞:大尽杯/副賞(清酒大関4斗樽・ワンカップ大関1年分)/賞状/金一封
  • RKB毎日放送賞:大銀盃/賞状/金一封 ※11月場所のみ
  • 大分県椎茸農協賞:トロフィー(椎茸入り)/副賞(OSK干し椎茸)/賞状/金一封

表彰式順序

  1. 国歌斉唱(起立の上前奏に引き続き唱和する)
  2. 演奏は陸上自衛隊東部方面音楽隊、中日交響吹奏楽団、海上自衛隊東京音楽隊、大阪市音楽団、陸上自衛隊第一音楽隊など。
  3. アナウンス「〜年〜月場所幕内最高優勝は(役名)四股名+名前。成績は〜勝〜敗(15戦全勝)であります。」
  4. 天皇賜杯拝戴(はいたい) – 理事長より授与
  5. 優勝旗授与 – 審判部長より授与
  6. 内閣総理大臣杯授与
  7. 土俵下で優勝力士インタビューが行われる。
  8. インタビュアーはNHK大相撲中継の東方担当アナウンサーが担当し、「ここで、優勝力士へのインタビューであります。インタビュアーはNHKの○○アナウンサー(当日の担当者)であります」と場内アナウンスが入る。
  9. 各国友好杯授与
  10. 自治体・団体賞授与
  11. 三賞授与 ※1
  12. 出世力士手打ち式・神送り

※1

三賞(さんしょう)とは、一般には各業界における三種類の賞の総称を指す。ここで記述する三賞は大相撲の本場所において、横綱・大関以外の成績優秀な幕内力士に送られる三種類の賞の総称である。
殊勲賞(しゅくんしょう)・敢闘賞(かんとうしょう)・技能賞(ぎのうしょう)

賞金
2019年1月場所現在の賞金額は、各賞それぞれ200万円である。1人が複数の賞を受賞(後述)した場合は、ダブル受賞であれば400万円、トリプル受賞であれば600万円が支給される。また、1つの賞に複数の力士が選ばれることもあるが、この場合も各力士それぞれに200万円が支給される。

主な記録

三賞最年少受賞 貴乃花光司 18歳3か月(平成3年3月場所)
三賞最年長受賞 旭天鵬勝 40歳2か月(平成26年11月場所)
殊勲賞最多受賞 朝潮太郎、魁皇博之 10回
敢闘賞最多受賞 貴闘力忠茂 10回
技能賞最多受賞 鶴ヶ嶺昭男 10回

相撲の雑学

懸賞金の内訳は?

懸賞金6万2000円の内訳はこのようになっています。

懸賞金6万2000円内訳

  • 事務経費5300円
  • 納税充当金2万6700円
  • 勝利力士の取り分3万円

事務経費は、取り組み表に掲載される費用および、取組の際の場内アナウンスの手数料となっています。

納税充当金は、協会が力士個人名義の預り金として徴収し、年末調整時に納税額の不足が生じて追加徴収が行なわれる場合に充てられるお金です。希望があれば、いつでも引き出すことが可能で、引退するときには追加徴収で引かれて余った分が本人に返されるようになっています。

一回の取組の懸賞金上限本数は?

現在は一つの取り組みにつき、60本までの懸賞金が認められています。

(※森永賞が含まれた場合は61本まで)

平成18年1月場所からは、ひとつの取組に50本までという上限が設けられていましたが、優勝がかかった大一番や人気の取組に企業から懸賞金をかけたいというオファーが殺到しました。

中には、50本という上限を特別処置で解除する取組も出たため、現在は一回の取組の上限が60本に変更されています。

過去に最も多くの懸賞金がかかった取り組みは?

懸賞金の上限が61本にかけられた取組はこれまでに5回ありました。

  • 平成27年1月場所 千秋楽 白鵬ー鶴竜(かくりゅう)
  • 平成27年9月場所 千秋楽 鶴竜ー照ノ富士(てるのふじ)
  • 平成28年5月場所 14日目 稀勢の里ー鶴竜
  • 平成29年1月場所 千秋楽 白鵬ー稀勢の里
  • 平成29年5月場所 7日目 稀勢の里ー御嶽海(みたけうみ)

※太字が勝利した力士

61本の懸賞金ということは、1回の取組で、3万円×61本=1,830,000円を獲得しているということになります。

1年間で最も懸賞金を獲得した力士は?

  • 1位…2111本 白鵬 平成22年
  • 2位…1990本 白鵬 平成24年
  • 3位…1932本 白鵬 平成26年

海外場所へ行く際の飛行機

同じ飛行機に力士を全員乗せないんです。
もし事故が起きたら、大相撲が全滅してしまうじゃないですか。
だから、横綱も分ける。大関も分ける。
力士半々に乗せて、体重別に「あんたは左、あんたは右」というように左右均等になるように分けていました。

初めてのちょんまげ

初めてちょんまげを結えた日には、兄弟子からデコピン(中指でおでこを弾かれる)を受ける儀式「こんぱち」という手荒い儀式が行われます。
おでこを指ではじかれた若手力士は「ごっちゃんです」と言って、先輩から祝儀をもらうそうです。

写真

  1. 天皇賜杯
  2. 内閣総理大臣杯
  3. 優勝額(毎日新聞社寄贈)
  4. マカロン
  5. アメリカ合衆国大統領杯

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