乾杯!

実を言うと、日本で乾杯!とするようになったのは、比較的最近のことです。
 と、言っても起源は江戸の幕末のこと。1854(安政元)年、日米和親条約ならぬ、日英和親条約を協約した後で、イギリスはエルギン伯を日本に派遣し、通商約款の補足をさせることになりました。一方で幕府は井上信濃守清直らを派遣し、交渉にあたらせ、それが終了した後で晩餐をすることになりました。

 そこでエルギン伯、「我が国では国王の健康を祝して、杯を交わす習慣があるのだが、是非やろうではないか」と提案します。井上清直らは、当然そんな習慣は日本にないのでとまどいますが、ともあれ失礼の無いようにやることにしました。と、そこで会話が途切れ静まりかえった時、井上清直が突然立ち上がり、「乾杯!」と大きな声で叫び、静かに着席。エルギン伯をはじめ、皆大笑いで、それが故に記録されてしまったんでしょうね。

 ともあれ、これが杯を交わす時に「乾杯!」という起源になったと言われています。

余談:井上清直

ところで、これでは井上清直は単なるお馬鹿さんと言うことになってしまいますが、ハリスと日米修好通商条約を結ぶなど、幕府の主要な外国との条約交渉の責任者として激務をこなした官僚です。1810年生まれ。弟に有名な川路聖謨がいますが、この人物については歴史のコーナーではないので省略します。

 んで、この乾杯事件の翌年、安政2年に下田奉行に任命され、ハリスと日米修好通商条約の交渉を開始し、これを安政5年に締結されます。同年、外国奉行にも任命され兼務。同僚の岩瀬忠震と共に対外交渉の責任者になり、日露修好通商条約や日英修好通商条約を調印させます。そして、町奉行になった後、1863(文久2)年には、小笠原長行に従い兵と共に上洛し、更に戻るとまた外国奉行になったり、関東郡代兼帯や勘定奉行になったりと、大忙しで(実は政変で左遷なんかも繰り返しています)、1867(慶應3)年に死去しました。・・・・過労死じゃないんですか?

 ちなみに開国派の人物で、井伊直弼と直談判したり、勝海舟を太平洋横断させるなど人物眼もあります。ちなみに、先ほどでた岩瀬忠震というのは、やはりほとんどの外交交渉に係わった人物で、頭脳明晰かつ直球で物を言うタイプ。井上清直は、乾杯!と叫んでしまいましたが、本来は謹厳実直な人物で、この2人はまさに名コンビと言ったところでしょう。ただ、岩瀬はその性格ゆえに将軍継嗣問題時に徳川慶喜を強く推薦、結果、ご存じの通り後の徳川家茂が将軍になるので、井伊直弼ににらまれ安政の投獄で投獄され、亡くなってしまいました。

 そんなわけで、これは幕府滅亡から随分たった後の徳川慶喜の発言ですが、幕府には人材がいないわけではないんです。問題は良いポストに登用する手段がなかなかないんだって。

乾杯という儀式そのものの由来は?

グラスをチーン!とさせる、日本語で言う乾杯という儀式の起源はどうなんでしょう? これは、古代に神や死者のために神酒を飲んだ宗教的儀式が起源らしく、転じてやがて人々の健康や成功を祝福する儀礼に変化したそうです。では、なんでチーンとグラスをあわせるのか。これは諸説ありますが・・・

  • 酒の中に宿っている悪魔を追い払うために、グラスを会わせて音を立てる。
  • グラスを勢いよくぶつけ合うことで、互いの酒を混ぜ合わせ、毒が混入していないことを証明。
  • 家の主と客が乾杯し、同時に飲み干すことで、客にすすめる酒に毒が入っていないことを証明。

さて、それが日本に入ってきたんですが、では類似の事は日本人はそれまでやらなかったのでしょうか。いやいや、酒をよく飲む日本です。当然あります。一番有名なのは、戦国時代。出陣する時に杯を手に持ち、みんなで高く掲げ、それを飲んで、杯をたたき割る! そしていざ出陣! 大河ドラマなんかではたまに出るシーンです。

外国語で言う乾杯

中国:カンペイ
中国では「カンペイ!」と言って乾杯します。乾杯の際は白酒(パイチュウ)というアルコール度が高めのお酒を使い、乾杯後はすぐに飲み干さないといけません。中国に出張に行ったビジネスマンの多くは、この白酒の乾杯でグデングデンになってしまうそうです。

アメリカ:チアーズ
アメリカでは乾杯の際「チアーズ!」と言います。グラスは軽く当てたり、少し持ち上げて相手に向けて軽く傾けたり、時に割れそうなぐらい強くぶつけたりとさまざまです。このチアーズという掛け声はアメリカ以外でも使われており、イギリスやオーストラリア、ジャマイカあたりでも使うそうです。

イタリア:チンチン
イタリアの乾杯は「チンチン」という掛け声です。日本人からすると(特に女性は)、はっきりと声に出すのは抵抗のあるフレーズですよね。グラスは目の高さまで持ち上げ、グラスは当てません。

ブラジル:サウージ、チンチン
次の夏季オリンピックやワールドカップが行われる南米の国ブラジル。ブラジルでは乾杯の際、お互いのグラスを当て「サウージ」と言います。場所によってはイタリアと同じく「チンチン」と言うそうです。

スペイン:サルー
スペインでは乾杯のとき「サルー!」と声を掛けます。サルーとは「健康」という意味で、くしゃみをした人にも「サルー」と声を掛けます。スペイン語圏では大半がこの掛け声です。メキシコやアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイも乾杯の際は「サルー」と言います。

シンガポール:ヤン・セン(ヤムセン)
シンガポールでは乾杯の際、大声で「ヤーンセーン!」と叫ぶように言います。「ヤー」の部分が長ければ長いほどお金がたまったり幸運がやって来るといわれています。また、「声が小さい!」とダメ出しが入ることもあるそうです。

トルコ:シェレフェ
トルコで乾杯の際に使う掛け声は「シェレフェ」です。ラクというお酒やエフェスというトルコビールが人気です。乾杯するときは日本のようにお互いのグラスを当てたりします。

ロシア:ナ・ズダローヴィエ
ロシアでは、乾杯の際、リーダーや主賓格が立ち上がり「ナ・ズダローヴィエ!」と声を掛けます。ナ・ズダローヴィエはロシア語で「健康のために」という意味。飲むのはやっぱりウオッカが多いのだそうです。

世界の酒に関する変な法律

日本での喫煙や飲酒は20歳からですが、アメリカではタバコは18歳・飲酒は21歳からとなっています。

当たり前ですが、日本でお酒を飲んでいたからと言ってアメリカで飲むことは決して許されません。

意外かもしれませんが、アメリカでは日本のようにコンビニや居酒屋で年齢確認をしたりしなかったりというのはありません。

必ず年齢確認(IDチェック)をされます。

実際僕がアメリカで生活していたのは20歳でしたが、店員を欺くことができなかったので本当にもどかしかったのを覚えています(笑)

僕が旅行や留学などでアメリカに行く人に伝えたいのは、どこに行くにもID(パスポートやState ID)を必ず持参したほうが良いということです。

公共の場でのお酒はNG

僕は毎回サッカー終わりにコンビニの前で缶ビールを買って飲んでいるんですが、これアメリカだとNGです。

飲みきれなかったビールを持って電車に乗る。これもアメリカではNG。

春の花見シーズンの飲酒、これアメリカではNGです。

ビーチで優雅にカクテルでも飲みながら…NGです。

そうです、アメリカでは公共の場で飲酒することが禁止されています。

でもクルーザーとか海の上はオッケーなんだとか。

よく映画とかで茶色い紙袋に入れて飲んでいるシーンがありますよね。

あれお酒を隠してるんですよ。まぁ飲んでますって言ってるようなもんだけど(笑)

だから簡単に言うと、お酒を裸で持ちながら飲んだらダメってことですかね。

あ、紙袋に入れていても違反は違反ですよ!

お酒の販売は深夜2時まで

コンビニに行けば24時間お酒が買える日本人にとってはありえないアメリカの法律が、お酒の販売は深夜2時までということ。

24時間営業しているコンビニでも深夜2時以降はお酒コーナーが厳重にロックがかけられてその上に網がかけられちゃったりなんかして一切触れることが出来なくなります。

車内はお酒NG

「俺運転するからお前ビール飲んでいいよ!」

なんて会話が日本ではよく交わされると思いますが、これアメリカではNGです。

アメリカの法律では、運転しない人もお酒を飲むことは一切許されないんです。

なんならお酒の空き瓶や空き缶などが車内にあるだけでもダメ。

「じゃぁ買ったりしたやつはどうすればいいんだよ!!」

ってことなんですけど、空いてない瓶や缶は大丈夫。けどこれも州によってはダメみたい。

一番良いのは、購入したお酒類はトランクに入れること。これに尽きます。

実際に僕は助手席でお酒を飲んではダメだと知らなくて瓶ビールを飲んでいました。そんな時に限ってスピード超過で取り調べられるんですよね〜。

白バイ:「OK~とりあえずスピード違h…!?お前まさか酒も飲んでんのか!?」

俺:「え?はい。あ、でも飲んでるのは僕だけですよ。」

白バイ:「お前はクレイジーな野郎だな。いいか?良いこと教えてやるよ、ここアメリカでは運転していない人も飲んじゃダメだ!覚えとけこのクレイジーメン」

キャンピングカーでお酒はOK?

アメリカと日本とではお酒に対する法律が違うということを書いてきましたが、これを友人に話している時に面白い質問をされました。

「アメリカとかにもキャンピングカーで暮らしている人とかいるけど、その人たちもお酒飲めないの?」

確かに・・・キャンピングカーで暮らすと決めた以上お酒を「家」で飲むという嗜好は経験できないのだろうか。

「アメリカでは、乗り物が動いている間はアルコールを飲むこと(持つこと)は許されていません。これは乗り物に乗る全ての人に適応します。州によって法律は様々ですが一般的にいうと、その乗り物(バン)が駐車されている、バンのエンジンがかかっていない、鍵が車内に無いのであれば、車内(バン)でもアルコールを飲むことができます。特にキャンプ場ではそうです。」

つまりキャンピングカーを停めたら鍵を投げ捨てればいいんですね。

お酒をキャンピングカーで飲むには

  • 乗り物が駐車されている
  • エンジンが止まっている
  • 鍵が車内にない(or ささっていない?)

ということなので、皆さんもアメリカでキャンピングカーを利用する際は、しっかり鍵を投げ捨ててから法律を確認してからお酒を飲むようにしましょう。

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