おにぎり

歴史

弥生時代後期の遺跡である杉谷チャノバタケ遺跡(石川県鹿島郡鹿西町、現・中能登町)で1987年(昭和62年)12月、おにぎりと思われる米粒の塊が炭化したものが出土している。この炭化米から人間の指によって握られた痕跡が発見されており、当初「最古のおにぎり」として報道された。その後の研究では、炊かれて握られたものというより、おそらく蒸された後に焼かれたものであり、言わばちまき(粽)に近いものとされた。

おにぎりの直接の起源は、平安時代の「屯食」(とんじき)という食べ物だと考えられている。この頃の「屯食」は大型の楕円形(1合半)で、使われているのは蒸したもち米であった。「屯食」が意味するものは時代によって異なり、江戸時代に入ると公家社会では現在のおにぎりのことを「屯食」と呼ぶようになった。

鎌倉時代末期頃からは、うるち米が使われるようになった。当時のおにぎりは飯をただ握り固めたものか焼き固めたもので、表面に海苔を貼り付ける形式が生まれたのは海苔の養殖が普及し、加工された四角い板のりが「浅草海苔」として広く販売されるようになった江戸時代の元禄年間以降と見られている。海苔は栄養もあり、表面に貼り付ければ食べる際に手に飯粒が付着しない。その便利さとも相まって、海苔はおにぎりに付き物となった。

関東と関西の違い

東日本では海苔は焼き海苔を巻いて風味を味わう傾向だが、西日本では味付海苔を巻いて味わう傾向にある。

コンビニでおむすびを温めてもらう人の割合は日本全国の平均では約25%であるが、北海道、東北地方、北関東(茨城県、栃木県、群馬県)では約40-60%、沖縄県では75%に上る。これらの地域では店員から「温めますか?」と聞かれることが多い。

呼称

日本国内でも、地方あるいは家庭によっては「おむすび」(御結び)や「握り飯」などと呼ばれる。単に「むすび」や「握り」などと呼ぶ場合もある。

地域的には、通説では西日本は「おにぎり」、東日本は「おむすび」とされる。東京でも古くは「おむすび」であったが、上方から新しく言葉が広まったとする。一方、近畿地方は「おにぎり」が優勢で、九州・沖縄地方では「おにぎり」や「にぎりめし」が大半を占めるが、通説とは異なり、北海道、関東地方、四国では両者が拮抗し、中部地方及び中国地方では「おむすび」が優勢とする研究もある。2013年の調査によると、日本全国では「おにぎり」が89%で、10%の「おむすび」を圧倒した。

方言

「握りまま」(青森県)、「おにんこ」(栃木県)、「にんにこ」(和歌山県)といった方言もある。

おにぎりやおむすびの語源、両者の違いについては種々の説がある。

  • おにぎりは形を問わないが、おむすびは三角型という説。
  • おにぎりが三角型で、おむすびは俵型という説。
  • 米を握り固めた状態がおにぎりで、おにぎりをわらで巻いて運搬しやすくした状態がおむすび説。
  • 丸形で海苔(しめった海苔)が全面を覆うのがおにぎり、三角で乾いたパリパリの海苔が一部を取り巻くのがおむすびという説。
  • 三角の握り飯を「おむすび」というのは造化の三神に由来するとの説。
  • おにぎりの呼び名は江戸時代からの呼び方でおむすびの呼び名はそれ以前からの古くからの呼び名。
  • 東日本でおにぎり、西日本でおむすびと別名でよんでいたのが混交したという説
  • 握り飯またはおにぎりの方が歴史が古く、その女房言葉もしくは丁寧語としておむすびといったという説
  • 昔の日本人は山を神格化し、その神の力を授かるために米を山型(神の形)にかたどったのが握り飯を三角形に作った由来との説もある。
  • おにぎりは「鬼を切る」という言葉に似ているため、魔よけの効果があるとの説もあり、鬼退治に白飯の握り飯を投げつけたなどの民話もある。
  • ハワイなど明治期に多くの日系人が移民した国や地域ではおにぎりではなく「MUSUBI」という呼称が一般的となっている。

三角型、丸型(円盤型)、俵型、丸型(球型)の4つが主要な型とされる。
江戸時代後期の『守貞謾稿』には、京都・大坂では俵型、江戸では丸型(円盤型)・三角型が一般的であったことが窺える。江戸では丸型(円盤型)よりも三角型が多かったともされる。

※守貞謾稿(もりさだまんこう、守貞漫稿とも)は、江戸時代後期の三都(江戸・京都・大阪)の風俗、事物を説明した一種の類書(百科事典)である。 著者は喜田川守貞(本名・北川庄兵衛)。 起稿は1837年(天保8年)で、約30年間書き続けて全35巻(「前集」30巻、「後集」5巻)をなした。

  • 三角型 – 高さが低い三角柱。握りやすいので一般的である。関東地方発祥と言われ、山型ににぎった頂点に神が宿ると信じられために、三角になったとの説もある。コンビニエンスストアで販売されているおにぎりの主流の形状。
  • 俵型 – 円柱形。弁当箱に収まりやすく幕の内弁当で用いられる。かつては関西の標準型であった。
  • 円盤型 – 主に東北地方で見られる。ゴーダチーズや鏡餅のような形。
  • 球型 – 九州地方に多いが、日本全国に分布する。方向性がないので、美しく球形にするのが難しい(手毬型)。
  • 四角形 – 高さが小さい直方体。九州、台湾などで見られる。押し寿司に近い。
  • その他、梅の花形、星形など。型に押し入れて作る場合、様々な形のものがある。

好きな具材

2014年の日本での調査では、好きな具は、鮭、梅、明太子、ツナ、昆布、たらこ、その他、かつお、高菜の順であった。

  1. ツナマヨネーズ
  2. しゃけ
  3. 梅干し
  4. 明太子
  5. 焼きたらこ
  6. 昆布
  7. いくら
  8. 海老マヨネーズ
  9. おかか
  10. 筋子
  11. とり五目
  12. たかな
  13. 天むす
  14. 明太子マヨネーズ
  15. 生たらこ
  16. 辛子明太子
  17. 唐揚げ
  18. 焼きサケハラミ
  19. 焼肉
  20. マグロ

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