ヒラマサ(平政)

「ブリ御三家」と呼ばれるブリ、カンパチ、そしてヒラマサの中で、最も脂肪が少なく、さっぱりした魚。独特の風味があり、身締まりも良く、ブリよりも高級魚とされる。ヒラマサは刺身にすると最高。乳白色の身は透明感があり美しい。締めてから時間が経っていないものは歯ごたえが良く、熟成させるとねっとりした旨みが出てくる。夏場の寿司種としてシマアジと並んで人気が高い。

生息域:本州以南
旬時期:5月~7月

成魚は1m前後だが、最大で全長250cm・体重96.8kgの記録がある。約150種を含むアジ科魚類の最大種である。体は前後に細長く、側扁する。体色は背が青緑色、腹が銀白色で、体側には太い黄色の縦帯がある。

地方での呼び方

「ひら」は側扁(ソクヘン)した体に由来する。地方名にヒラ、マサギ(いずれも三重県)ヒラマサ(東京)、ヒラサ(瀬戸内海の一部)、ヒラス(大阪・高知・九州)、ヒラソ(山陰)、ヒラソウジ(九州)などがある。

※側扁(ソクヘン)
高さに比べて厚みが少ないこと。ひらたいこと。特に魚類などで、腹背の高さ(体高)に比べて左右の厚み(体幅)の少ない体形を表す語。横断面が上下に細長い楕円形ないし紡錘形をなす。タイ・マンボウなどの体形。

正式名称

界 : 動物界
門 : 脊索動物門(せきさくどうぶつ)
亜門 : 脊椎動物亜門(せきついどうぶつ)
綱 : 条鰭綱(じょうきこう)
目 : スズキ目
亜目 : スズキ亜目
科 : アジ科
亜科 : ブリモドキ亜科
属 : ブリ属
種 : ヒラマサ

生態

日本近海では北海道南部以南で見られる。沿岸や沖合いの浅い海に生息するが、水深825mからの記録もある。ブリより高温を好み、水温18-24℃の海域に多いが、これより低い水温で見られることもある。

単独か小さな群れで行動する。また回遊魚でもあり、日本の北海道南部や東北地方では夏に北上したものが出現する。遊泳速度は速く、時速50km以上で泳ぐことができる。食性は肉食で、遊泳する小魚・甲殻類・頭足類を追いかけて捕食する。

寿命は最高で12年という記録がある。

食材情報

ブリ・カンパチ・ヒラマサを指して「ブリ御三家」と呼ぶ。ヒラマサはその中で最も脂肪が少なく、さっぱりしている。独特の風味があり、身締まりも良く「青背の貴公子」といわれるほど。ヒラマサはなんといっても刺身が最高。乳白色の身は透明感があり美しく、しっとりした歯ごたえは絶品である。締めてから時間が経っていないものはコリコリした歯ごたえで、数時間から1日熟成させたものは、ねっとりした旨みが出てくる。夏場の寿司種としてシマアジと並び称され、高級料亭でも珍重されている。

栄養

高速で泳ぎまわるために筋肉がしっかりしており、たんぱく質が豊富。脂肪量も白身魚に比べて多い。血圧を下げる作用があるとされるカリウムが豊富。ビタミンD、ビタミンEも豊富に含有する。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を多く含む。漁獲量が少ないこともあり、市場ではブリよりも高値で取引されることが多い。

DHA(ドコサヘキサエン酸)
血栓を予防する物質で,脳の記憶学習中枢の構成物質でもある。脳細胞の活動を活性化させ,老人性認知症の予防や治療などに利用できるのではないかと注目されている。

EPA(エイコサペンタエン酸)
血圧や血中脂質濃度の低下作用が知られ、動脈硬化症による症状や高脂血症の改善を目的とした医薬品として実用化されているほか、高血圧、炎症の予防や癌細胞の増殖防止などに効果があるとされている。

交雑種

近縁種との間に人工交雑種を作る事が出来る。

ブリヒラ
ブリの卵にヒラマサの精子を受精させて開発された養殖目的の交雑種。種苗生産の際の奇形率がブリよりも低く、生育がヒラマサよりも早く、飼料効率が両親より優っている。肉質はヒラマサ由来のコラーゲン含有で身持ちや歯ごたえが良く、ブリ由来の脂乗りの良さも保持している。

カンヒラ
カンパチの卵にヒラマサの精子を受精させて開発された養殖目的の交雑種。飼料効率が両親より優っており、高水温および低水温に対する耐性も両親より高い。

雑学

長崎には白い鉄火巻がある。

長崎ではハマチやヒラマサの養殖が盛んで、どの寿司屋でも常備しています。長崎人の好みとして“新鮮で歯ごたえのある刺身や寿司ネタが好き”ということがあり、当日のハマチやヒラマサを提供できない場合は、前日の残りの少し熟成したハマチなどは鉄火巻きとして提供していた。
現在では「白鉄火」という名称がある。

ブリ・ハマチ・カンパチ・ヒラマサは白身魚ではない

白っぽいので「白身魚」だと思っている人が少なくないが、実は「赤身魚」に分類される。
白身魚と赤身魚の違いは、筋肉に含まれる血液色素タンパク質・ヘモグロビンと、筋肉色素タンパク質・ミオグロビンの量。真っ赤な“血合い”を持つブリらは、身は白っぽいが、実は赤身魚に分類されるのである。
ちなみに、赤身・白身で意外な話といえば、鮭は実は白身に分類される。身が赤いのは、赤い色素を持つアスタキサンチンを含むエビやカニの仲間を食べて育つためだ。

分類は赤身になるが、白身魚として取り扱われている。

ヒラマサ以外の魚雑学

骨なし魚

作成方法は、冷凍魚を解凍後、魚からピンセット等で骨を取り除き、ばらけた身を結着剤で接着、形を整える。完成後は、X線検査により骨の有無を確認する業者も存在する。

コストとの関係から中華人民共和国、タイ王国、ベトナムなどの人件費が安い海外工場で生産される。

消費ターゲット
当初は、嚥下機能が衰えた高齢者、病人向けの食材という特定分野の業務用が主流であったが、骨を気にしないで魚が食べられるという部分が受け入れられた。
震動のため手元を気にする必要がある列車の食堂車、骨の存在からクレームが付きやすい外食チェーン店などでも導入が進められている。
外食産業で一定の評価を得たことから一般消費者向けも販売され始めた。

子供への懸念
子供に食べさせることで、「魚には骨がない」と覚えてしまうために食生活の思考力が低下する懸念が問題視されてきている。
刺身などを焼いて「焼き魚」として提供したりする親もいる為に、魚の姿を見て食べる機会が激減してきておる。

フルーツ魚(ヒラマサはあまり関係ないw)

フルーツ魚(フルーツさかな)とは、日本において、養殖魚の臭みを消すために、餌にかんきつ類などの果物生成物を混ぜて育てた食用魚のこと。
高知大学が開発し2007年に販売された鹿児島県の“柚子鰤王”(ゆずぶりおう)が火付け役。
開発は、魚肉の変色(褐色化)を抑える技術が転じたもので、魚嫌いな人が指摘する魚臭さ(生臭さ)を抑えるだけではなく、果物などの香りがする魚も開発されている。
魚種にブリ、カンパチ、ヒラメ、マハタ、鮎などがあり、果物にはミカン、ユズ、スダチ、カボス、レモンなどがある。また、オリーブやハーブを用いた養殖魚もある。
一部では、かんきつ類を用いたものを「柑橘系養殖魚」(柑橘魚、柑橘系鮮魚、柑橘系養魚)などとも呼ぶ。

みかん すだち レモン カボス お茶 ぶどう

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